抜毛症は髪を引き抜くこと（抜毛）をやめられない病気です。
自分自身でやめようと思っても、止められず日々繰り返してしまう行為です。1日の中で短時間行われることもあれば、何時間も長く続くこともあります。
本人はほとんど無自覚に、自動的に抜毛することもあります。
人によっては抜毛の仕方にこだわり、特定の場所の髪を探して引き抜いたり、毛根が損なわれないように慎重に引き抜いたりします。
抜毛をする前には心地よい緊張感があり、抜いたあとには満足、快楽、安堵感
抜毛すれば当然髪はどんどん失われます。
抜毛する多くの方は頭頂部の髪を引き抜く傾向があり、襟首の部分を残した完全な禿げ頭の様式（いわゆる剃髪抜毛症）になります。
髪がないことが恥ずかしくて人前に出られないばかりでなく、自己制御できない感覚が本人を苦しめます。
そのため社会的・職業的に苦痛を感じ仕事や学校、その他の公共の場面に出掛けることを避けるようになりがちです。
通常は家族以外の人の前では抜毛を行いません。
人によっては他人の髪を引き抜きたい衝動にかられたり、ペットや人形、他の繊維製のセーターや絨毯から抜毛したりする人もいます。
抜毛症の治療とケア
抜毛症の原因について、詳しいことが分かっていないのが現状です。
抜毛のきっかけや理由も人によって様々で、不安な気持ちや退屈な感覚を紛らわすためだったり、日常での緊張に対処するものだったりします。
根本的な原因がはっきりとしないため、「こうすれば抜毛症が治る」といった明確な治し方や、確実に効果がある薬も残念ながら見つかっていません。
ただ、抜毛症の診断・治療については精神科の対象となりますので、一般的には次のような精神療法が行われます。
- 認知行動療法
- 薬物療法リスト
認知行動療法
うつ病など様々な精神疾患の対策としても用いられる精神療法で、薬を使用せず抜毛症そのものにアプローチをする治療です。
この療法では、自分では気づきにくい考え方の癖を気づかせ、問題となっている行動を修正していくことを目指します。
抜毛症治療の場合には、認知よりも行動に働きかけることを主としており、以下の3点を主軸とした治療を行います。
気づきの訓練
抜毛を始めたことに気づけるよう意識を向けます。さらに、抜毛をしそうになるときに特徴的な気分や感覚がないかを自分で気づけるようにします。
そして、そのように気づいた結果を記録します。普段、無意識にしてしまっている行為を意識化することで自分の抜毛症に関することをチェックできるのがポイントです。
対抗反応訓練
抜毛癖が出そうになった時に、それに逆らう行動（拮抗行動）がとれるように練習をするものです。
- 手をぎゅっと握る
- ペンを握る
- 脇を固く締めてみたり
といった行動を数分間以上続けます
こうした行動は、周囲の人からも目立たない動作なので、授業中や仕事中でも支障がなく、テレビを見たりパソコンの作業中でもできるものです。
周囲のサポート
治療を進める過程でのサポートの際には、否定的な態度は取らず応援を続けましょう。
サポートをお願いするのが困難な場合、カウンセラーに相談して悩みを聞いてもらいアドバイスを求めましょう。
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上記３つを何週間か続けることで、抜毛が別の行動に置き換わることを目指します。
薬物療法
抜毛症の症状をコントロールするために、薬での治療を行うこともあります。
抗不安薬や抗うつ薬、抗精神薬等による改善効果があるとの報告もありますが、抜毛症に特に効果のある薬は現状ではありません。
抜毛症に対する直接の治療とは異なりますが、抜毛癖を改善することができても、失われた髪は再び生えてこないのではないか、という不安があります。
自然に戻ることが難しい場合に育毛効果のある薬を使用することもあるようですが、小学生や中学生、高校生といった成長期に発症し、比較的早期に抜毛癖が収まれば、ほとんどは時間の経過とともに自然に元の状態に戻ります。
治療を進める上では、抜毛症を抱える方への理解が非常に重要になってきます。
行動療法や薬の投与を行なってもなかなか効果がみられない場合もあるでしょうし、頭ごなしに否定して簡単に止められるものではないでしょう。
特に小学生などの場合は、本人が悪いことをしていると感じるとそれまで以上に隠れて抜毛を行ない、抜毛症だけでなく、併発する恐れのある皮膚疾患も重症化するケースがあります。
やはり抜毛症に適切に対処していくためには専門機関に相談することが一番です。
基本は精神科医と皮膚科医の連携による治療
抜毛症の治療は、精神科医と皮膚科医の連携が必要です。
精神皮膚疾患の治療に用いられてきた治療法としては、局所のステロイドや水酸化塩酸塩、抗ヒスタミン特性をもつ抗不安薬、抗うつ薬、セロトニン物質、そして抗精神薬があります。
うつ病があってもなくても、抗うつ薬によって皮膚症状の改善が可能とされています。
抜毛の行為を早く止めることが重要
抜毛症は一度発症すると長年繰り返す傾向があります。
発症し数年間レベルで治療を進めると、抜毛行為が改善するにつれて髪が元通り生えてきます。
毛根が死ぬ前に抜毛行為が改善すると髪はまた生えてきます。
10年以上無治療で経過してしまうと抜毛行為自体は改善するも、毛根がダメージを負い過ぎて死んでしまい、髪が生えてこないケースも多々あります。
こうなってしまっては治療効果が望めず、抜毛行為が無くなってもウィッグ着用しか解決策がありません。
抜毛症に特化したケア商品
抜毛癖女性用育毛剤 薬用『トリコチロアール』は以下のような女性におすすめです
- 髪の毛を抜く行為がやめられない
- 髪の毛を気持ちが落ち着くまで抜いてしまっている
- 恥ずかしくて美容室に行けない
- 気づかれていないか、不審がられていないか不安
市販の薄毛用育毛剤とは違い、髪を抜いた後の頭皮をケアするシャンプーです。
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髪の毛を抜いた後の頭皮のケアに特化した成分を独自配合
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市販の薄毛用育毛剤とは違い、トリコチロアールはアルコール不使用、繰り返す抜毛によって傷ついた頭皮と毛根に刺激を与えない
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圧倒的に多い抜毛症の女性患者
男女比は１：９の割合で女性に多く見られます。
女性の方が多いのは、髪の毛のないことの社会的ダメージが大きく、積極的に受診するためとも考えられています。
発病平均年齢は10代前半で、最も多いのは17歳以前です。
しかし人生の後半での発病も報告されています。
経過は慢性的になる人と軽快する人がいます。
1年またはそれ以下の期間にわたり治療を受けた患者さんの約３分の1が軽快しますが、慢性的になると20年以上も続く場合があります。
未治療の場合には、寛解と憎悪を繰り返す場合があります。
女性の場合は、ホルモン変化（月経や閉経期周辺）に伴って症状が悪化しやすいと言われています。
抜毛症の美容院の選び方
個室で一人のスタッフがマンツーマンで最後まで接客する美容室がおすすめです。
不特定多数のスタッフに見られたくない、触られたくない、何か言われるんじゃないかと不安なる方が多いからです。
「美容師さんの何気ない一言がトラウマとなり、美容室に通えなくなってしまった」という女性もいます。
抜毛症を知らない美容師さんもたくさんいます。できれば抜毛症を知っている美容師さんだと安心です。
直接電話で問い合わせにくい場合は、メールやLINEで抜毛症の事情を伝えておくのも一案です。
