薄毛や抜け毛に悩んでいる女性は、ついあれこれと手を加えてしまいがちです。しかし、まずは日々の生活習慣を整えることが、育毛にとって大切なことです。
健やかな髪を育毛するためには、どのようなことに気をつければいいのかを紹介します。
健やかな髪を育てるためには、第一に生活習慣を見直すこと

薄毛や抜け毛が気になり始めると、髪や頭皮にあれこれと手を加えがちですが、まずは生活習慣を見直しましょう。
髪や頭皮は体の一部ですから、体が健康であることが育毛の第一歩です。また、心の健康も育毛には大切です。
バランスのとれた食事をとる

身体の健康維持において満遍なく栄養素を接種することは重要ですが、その上で髪にとって重要な栄養素は髪の3大栄養素とされる「タンパク質」「亜鉛」「ビタミン」です。
コンビニや外食はその手軽さから頻繁に利用をしてしまいがちですが、塩分や脂質が高いなど栄養素が偏っている食品が多く、頭髪にとっても良いものとはいえません。
出来る限り栄養バランスを考えながら、積極的に薄毛の対策や予防となる栄養素の摂取を心がけましょう。
タンパク質の摂取
髪の9割以上の主成分はケラチンというタンパク質で構成されており、髪の原料となるタンパク質の摂取は必須です。
タンパク質が多く含まれる食材としては「肉類」「魚介類」「卵類」「大豆製品」「乳製品」など、手軽に手に入る食品が多いです。
過剰に摂取すると内臓疲労やカロリーオーバーになる可能性があるので注意しましょう。
亜鉛の摂取
亜鉛は体内でアミノ酸からのタンパク質の再合成に必要な栄養素の1つです。
亜鉛が多く含まれる食材としては「牡蠣」「するめ」「レバー」「納豆」「アーモンド」「落花生」など、タンパク質を比べると比較的に意識をしないと摂取不足になりがちです。
動物性タンパク質である牛乳と同時に接種することで吸収率が高まります。
過剰に摂取すると銅欠乏、貧血になる可能性があるので注意しましょう。
食品名 | 可食部100g当たりの成分量 亜鉛(mg) | 食品の目安重量 | 重量 |
---|---|---|---|
かき 養殖 生 | 14.0 | 1個(むき身) | 15g |
かたくちいわし 田作り | 7.9 | 1食分 | 20g |
しらす干し 半乾燥品 | 3.0 | 大さじ1 | 5g |
加工品 かつお節 | 2.8 | 1食分 | 2.5g |
うなぎ かば焼 | 2.7 | 1串 | 100g |
まさば 生 | 1.1 | 1尾 | 500g |
まあじ 皮つき 生 | 1.1 | 1尾 | 160g |
ビタミンの摂取
ビタミンは血流を促進させ頭皮に栄養を行き渡らせる役割があります。
様々な種類があるビタミンですが、特にビタミンEには血液の循環不良の状態を改善する役割があります。
ビタミンEが多く含まれる食材としては「ナッツ」「ピーナッツ」などがありますが、より手軽に摂取するのであれば市販のマルチビタミンでも問題ありません。
ビタミンは過剰に接収しても蓄積せず短時間で体外に排出される為、他栄養素と比べて接種量を気にする必要はありません。
良質な睡眠をとる

髪の成長には体内で生産され分泌される「成長因子」というタンパク質が重要な役割を果たします。
特に深い眠りについた際に分泌が促進される傾向があるため、短い時間しか睡眠時間を確保できず深い眠りに入れない場合が続くと「成長因子」の分泌に悪影響を及ぼし髪の発育にも影響します。
深い眠りにつくためには就寝前にコーヒーなどカフェインの摂取を控えたり、軽いストレッチやアロマなどで体をリラックス状態にもっていく手段も有効です。
成長因子の分泌を促進し発毛効果をもたらすミノキシジルも、十分な成長因子が産生されなければ充分な効果を発揮することは出来ないため、薄毛治療中の方にとっても効果を引き上げる上で重要な要素です。
多くの女性が抱えている「ストレス」は上手にコントロールを
悩みやストレスは、ホルモンバランスが乱れて、薄毛や抜け毛を引き起こします。
丸く一部分だけ脱毛する「円形脱毛症」は、自己免疫疾患のうちの一つですが、免疫のバランスを崩す一因として、ストレスや睡眠、感染症などの要因があるといわれており、男性だけではなく女性にも発症します。
仕事や家庭、ライフステージでさまざまな決断を迫られる女性たちは、ストレスを感じている方も多いでしょう。
ストレスを適度に発散して、上手に向き合うことが育毛につながります。
適度な運動習慣

薄毛と運動不足という2つの言葉を並べても、ぴんと来ない人は多いのではないでしょうか。
運動不足というと真っ先に肥満が思い浮かびますが、実は薄毛の原因にも直接関係しています。
運動不足は、血行不良や身体の代謝機能を低下させます。すると、髪に十分な栄養素が届きにくくない、髪の成長を妨げます。
改善するためには生活のなかに適度な運動を取り入れ、血行不良を改善し、代謝機能を上げることが重要です。
厚生労働省の公式サイトに掲載されている「健康日本21」では、運動がメンタルヘルスや生活の質を改善すると認めており、息が少しはずむ程度の運動を週2回以上(1回30分以上)習慣にするよう推奨しています。
長く続けるためにも最初は無理せずに、週2回から始めてみると良いでしょう。
女性の育毛にもNG!喫煙習慣を改める

タバコには、末梢血管を収縮させて血液を低下させるニコチンが含まれています。
頭皮は体の中では末端部分。喫煙により血流が悪くなり、髪をつくりだす毛母細胞は酸素や栄養素をとりこめなくなるため、薄毛や抜け毛の原因になり得ます。
健康的に育毛したいのであれば、禁煙を意識した方がいいでしょう。
髪だけではなく手足が冷えやすい女性にとって、末梢血管の血液を低下させるニコチンは大敵です。
飲酒は適量に

アルコールには胃腸の機能を弱らせ栄養素の吸収効率を下げ毛髪の成長を妨げる悪影響や、薄毛の原因となるDHT(ジヒドロテストステロン)の量を増加させる研究データもあります。
全ての飲酒が悪いという訳ではなく、厚生労働省が示す純アルコールで20g程度に収まるビール中瓶1日程度であれば、基本的に問題はありません。
育毛のためには「食材5色がそろったバランスのとれた食事」が大事

育毛のために、髪に良いとされる食べ物を意識的に摂取することはいいことですが、何事もバランスが大切です。
育毛には「赤・黒・緑・黄・白」の色を目安に、5色の食材をそろえるのがいいでしょう。
髪の主成分であるたんぱく質は赤色、ミネラルが豊富な海藻類は黒色、頭皮環境にもいいビタミン類は黄色や緑色などの食べ物に含まれており、5色を意識することでバランスよく栄養を摂取できます。
慣れないうちは5色をそろえようと思うと難しいかもしれませんが、和食の定食を意識して食べてみると栄養のバランスが整ってくるでしょう。
女性の育毛に欠かせない「成長ホルモン」は睡眠時につくられる
睡眠不足になると、クマができる、肌がかさつく、顔色がさえないなど、美容に悪影響があることは女性の間で広く知られています。
しかし、表面的なものだけではなく、免疫が低下して体調を崩しやすくなったりと、健康面にも悪影響を及ぼします。
もちろん、髪への影響も同様。育毛のためには、睡眠中に分泌される成長ホルモンの存在が欠かせません。
女性の育毛で大切なのは「質のいい睡眠」
大事なのは睡眠時間だけではなく、「質のいい睡眠」が最も大事です。
工夫次第で睡眠の質を高めることができるので、そのポイントを紹介します。
良質な睡眠で、健やかな髪の育毛を目指しましょう。
就寝前に入浴する

女性に多い冷え性ですが、足先が冷たいとなかなか眠りにつけないもの。
入浴は運動と同じように寝つきを良くし深い睡眠を得る効果があります。
40度くらいのぬるめのお湯にゆっくり浸かるのが効果的です。
眠る前に深部体温が下がらないと寝つきが悪くなってしまうため、眠る2~3時間前に済ませる事がおすすめです。
就寝直前にお風呂に入る場合は短時間で済ませるようにしましょう。
体と脳を就寝モードに切り替える

就寝前にスマホやパソコンなどを使用している女性は多いですが、光る画面を見ていると脳が興奮状態になります。
スマホが発する「ブルーライト」は眠気を誘うホルモン「メラトニン」の分泌を抑制します。
そのため就寝前にスマホを見ると、寝付きが悪く、睡眠サイクルが乱れがちに。
髪の毛は就寝時に生えると言われているので、これは育毛には逆効果です。
就寝前はスマホを見ることを控え、照明を暗くするなど、体と脳を就寝モードに切り替えるといいでしょう。
朝起きた時は、カーテンを開けて明るくするとメリハリがつきます。
午後8時以降のカフェインはNG
仕事が終わり、夕食後のほっとした時間にもう一杯コーヒーを飲みたくなる方もいるでしょう。
しかし、午後に飲んだコーヒーのカフェイン効果は6~8時間持続するのでそこへさらにカフェインを摂取してしまっては睡眠の質を下げてしまいます。
できれば飲まないことをおすすめしますが、どうしても飲みたい方はデカフェ(ノンカフェイン)のコーヒーにしましょう。
日中は適度に体を動かす
適度な疲労感があると、寝つきが良くなります。
夕方のウォーキングやストレッチなどを、無理のない程度に取り入れましょう。女性から人気のヨガなどもいいのではないでしょうか。
女性の育毛に必要な正しい「髪の扱い方」
育毛のためには、ブラッシングや洗髪後のケアも重要です。「髪は熱に弱いから自然乾燥する」という習慣はNGです。
濡れた髪と頭皮は、雑菌の温床になります。
特に、髪の長い女性は要注意。ドライヤーを使用するのは必要最低限におさえ、素早く乾かすのが育毛への近道です。
ブラッシングテクニック

ブラッシングは、髪や頭皮に付着した汚れを落とすことができるので、シャンプー前にするのがおすすめです。
①毛先をゆっくりときほぐす
毛先のもつれをときほぐすようにブラッシングをします。絡まった場合は、無理に引っ張らないようにしましょう。髪だけではなく、頭皮にも強い刺激を与えて毛根にダメージを与えかねません。
髪の長い女性は、適度な毛束を手にとって少しずつときほぐしてください。
②前頭部やこめかみからゆっくりとブラシをおろす
この時に、頭皮にブラシをやさしく当てましょう。
適度な刺激は、頭皮の血行が促進し、育毛の効果が期待できます。
ただし、傷がある場合はそこから炎症を起こす可能性があるので使用しないようにしましょう。
ドライヤーテクニック
①ドライヤーをかける前にタオルドライ
髪をタオルに挟んで、やさしく髪をおさえるように水分を取ります。このとき、激しくこすり合わせないように気をつけましょう。
②ドライヤーの温度を低めに設定し、髪から距離をとって乾かす
まずは髪に熱を与えすぎないように、温度を低めに設定します。そして、ドライヤーを15cmほど離し、一カ所に当て続けないように動かしながら乾かします。
★ドライヤーをかける時のポイント
この時に注意したいのは、頭皮から毛先の毛流れにそってドライヤーをかけること。逆に乾かすことで、キューティクルを傷めたり、頭皮に過度な熱を与え皮膚トラブルになることも。
健康的な育毛のためには、髪だけではなく頭皮にも気をつかいましょう。
女性の育毛には規則正しい生活とていねいに髪を扱うことが大事
日々生活をする中でも気が付かないうちに頭髪の成長を妨げ、薄毛のリスクを高めてしまっているケースがあります。
少し抜け毛が増えてきた、少し髪のボリュームが落ちてきた等の薄毛の初期症状において、それら薄毛のリスクとなる習慣を改善して薄毛の対策や予防をすることはとても重要です。
日々の生活の中でストレスにならない程度に、少しづつ生活習慣を改善していきましょう。