男性の男性型脱毛症にはプロペシアという治療薬がありますが、プロペシアは男性ホルモンに対して作用する薬であり女性や肝機能に障害がある人には皮膚接触不可とされています。
女性に使う薄毛治療の内服薬はパントガール、スピロノラクトンが使われ、外用薬はミノキシジルが使われます。
パントガールは髪を育て発毛を促す内服薬としてドイツで有効性が検証され、世界で初めて「薄毛・抜け毛の効果と安全性」が認められた、女性用の発毛剤です。

パントガールの効果や副作用

パントガールは、女性に特に多い脱毛症であるびまん性脱毛症の改善や爪の補修に効果があります。
臨床試験では、3~6か月間の使用で、87~90%の被験者の抜け毛や爪の状態に良好または非常に良好な結果が出たと報告 されました。
髪質改善の効果もあり、紫外線などによってダメージを受けた髪や、弾力をなくし、細くもろくなった髪の損傷を軽くする効果があります。
副作用の報告もなく安全性が高い内服薬のため、継続的・長期的に安心して使用できます。
- 慢性休止期脱毛による脱毛症の女性
- 男性型脱毛症の女性(FAGA)
- びまん性方脱毛症の女性
- 男性でAGAなどの脱毛症の方
パントガールの効果は3ヶ月過ぎから
頭皮の毛根は絶えず新しい細胞を作っていますが、パントガールの服用で影響を受けるのは新しく作られる細胞部分だけになります。
髪の毛は月に約1cm伸びるため、効果を実感するには個人差はありますが最低3か月以上、できれば6~12ヶ月の服用がおすすめされています。
即時的な効果を求めている人にだと、効果が出るまでに時間がかかるため、飲んでも効果がないと早々に判断されてしまうことが多いです。
パントガールの有効成分

- L-システイン
-
L-システインは、代謝を促す働きと、抗酸化作用を持つアミノ酸です。
皮膚・髪の毛・爪などに多く含まれています。肌の代謝を正常化することで、髪のターンオーバーを促進し、育毛を促す働きがあります。
- パントテン酸カルシウム
-
パントテン酸は、ビタミンB5とも呼ばれる水溶性ビタミンです。
他のビタミンの働きを助け、副腎皮質ホルモンの合成や皮膚の健康を維持します。
髪の毛においてはビタミンCの働きを強化することでケラチンの生成を促し、肌や髪の代謝やハリやツヤを保つ効果があります。
商品名 | パントガール |
主要成分 | D-パントテン酸カルシウム、L-シスチン、セルロース・ポリビニルピロリドン(ポビドン)、ステアリン酸マグネシウム、二酸化ケイ素、ゼラチン、ポリビニル |
効果 | びまん性脱毛症、分娩後脱毛症などの薄毛改善、白髪予防 |
副作用 | 軽度の腹痛、下痢、めまい、頭痛、動悸、胸やけ |
用法・用量 | 毎日朝・昼・夜に1カプセルずつ少量の水で服用 |
パントガールを飲むときの3つの注意点

- 未成年や妊娠中は服用しない
-
パントガールに関して、これまでに重大な副作用の報告はありません。
しかし、胎児・乳児に影響を及ぼす可能性が否定できないため、妊娠中や授乳中の方はパントガールの服用を控えることが一般的です。
子どもに対する臨床試験が行われていないため、12歳未満の服用も禁止されています。
- 飲み忘れても次回の量は増やさない
-
1日3回、朝・昼・夕の食後に1カプセルずつを少量の水で服用します。飲み忘れてしまった場合は、そのまま1回分を抜いて、次回から通常通り1カプセルずつ服用します。
- 温かい飲み物と一緒に飲まない
-
パントガールの微量栄養素は熱にきわめて敏感であるため、冷たい飲み物でカプセルを飲むことが推奨されます
パントガールの服用をやめる場合にも相談を

パントガールの服用をやめると効果が消えてしまう可能性があります。
毛根の力がしっかり回復していなければ、髪はまた元気に生えてきません。
一時的に効果が出た場合でもすぐに服用をやめるのではなく、クリニックに相談してから服用の継続・中止を判断しましょう。
これはパントガールに限らず、多くの育毛剤・栄養剤も同じことが言えます。
パントガールは保険適用外

薄毛治療は健康保険に適用されません。
保険適用されない理由として薄毛治療が「自由診療」に分類されるためです。
自由診療とは厚生労働省により公的な医療保険が適用されない治療や薬剤による医療行為を指し、治療にかかる医療費はすべて自己負担となります。
自由診療に分類される治療は薄毛治療のほかに歯列矯正、脂肪吸引のような病気や怪我の治療が目的でない医療行為や、厚生労働省の認可が下りていない医薬品、または保険適用外の医薬品を使用する場合に適用されます。
どの病院であっても薄毛治療に代表される全ての薄毛治療は自由診療扱いとなり、健康保険に適用されません。
パントガールの購入は必ず専門医の処方を受ける

パントガールを使用するにはクリニックで処方を受ける必要があります。
2020年4月10日の対応から、オンラインでの服薬指導も可能になったことで、オンラインでの処方の需要が高まっています。
パントガールは保険が適用されず費用が高くなりがちなことから、安価で手に入る海外の通販サイトから個人輸入をするケースがみられます
輸入業者の中には、あたかもパントガールのジェネリック医薬品があるかのように掲載しているところも存在します。
ジェネリック医薬品を謳うものは、偽造品の可能性が高いため手を出すべきではありません。
ジェネリック医薬品に限らず、サイト上で本物と偽物を見分けることは困難です。
健康被害のリスクを避けるためにも、パントガールはクリニックで処方されたものを服用してください。